襖の種類と襖紙の違い

このたびは「襖の種類と襖紙の違い」を閲覧いただきありがとうございます。

皆様、こんにちは。淺田襖工房の淺田です。

いつも当工房のブログをご覧いただき、本当にありがとうございます。

和室の印象を大きく左右する「襖(ふすま)」

毎日目にするものではありますが、「実はどんな種類があるのかよく知らない」という方も多いのではないでしょうか。

襖と一口に言っても、中の構造(本体)や、表面に貼る襖紙にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なります。

今回は、知っていると役立つ「襖の種類」「襖紙の種類」、視覚や触覚で試せる「我が家の襖の見分け方」について分かりやすく解説します!

襖の種類

襖の「中身(芯材)」には、主に4つの種類があります。

「我が家の襖はどれだろう?」と思ったら、重さや手触りを参考にしてみてくださいね。

襖の種類と襖紙の違いの画像

【和襖】(チップ)
▼ 特徴と見分け方
・格子状の木枠(組子)の上にチップボール紙を貼った伝統的な下地です。
・外枠(縁)は釘や下地のビスに傷をつけず、スライドさせて固定する構造です。
・一度分解して何度でも綺麗に張替えができるのが大きなメリットです。
・反りやねじれに強く、高い調湿効果もあります。

▼ プロのチェック方法
・表面を手でなぞると、中の格子(骨組み)がなんとなく手に伝わります。
・引き手が「釘(ビス)」で固定されているのが特徴です。

【スタイロ襖】
▼ 特徴と見分け方
・芯材にスタイロシートなどの発泡系材料を使用しています。
・伝統的な和襖と比べると【断然軽い】のが大きな特徴です。
・新しいマンション等に多いですが、和襖と比べると少し反りやすいです。
・張替えの際は、お住まいの環境を考慮して施工する必要があります。

▼ 縁(外枠)の注意点
・木製縁の場合は、ボンドでしっかりと接着されています。
・アルミ縁の場合は、はめ込んでいるだけのため【建付けが狂いやすい】です。
・アルミ縁のタイプは、それなりの重量感があります。

【ダンボール襖】
▼ 特徴と見分け方
・芯材にダンボールを使用した、安価で量産向けの襖です。
・和襖に比べると【断然軽い】のが特徴です。
・基本は使い捨て構造のため、よほど状態が良くないと張替えができません。

▼ 縁(外枠)の注意点
・縁はプラスチック製で作られています。
・はめ込んでいるだけのため【建付けが狂いやすい】のが弱点です。

▼ 近年の現状
・一部の集合住宅や古いお家で見かけることはありますが、近年は随分と見かけなくなりました。

【戸襖(とぶすま)】
▼ 特徴と見分け方
・内部に分厚いベニヤ板を使用した、しっかりとした重みのある襖です。
・ノックするように叩くと「コンコン」と頑丈な音がします。
・下部にはスムーズに動かすための戸車(とぐるま)が付いています。
・一般的に、和室(襖紙)と洋室(ビニールクロス)の境目を区切る引き戸や開き戸に用いられます。

💡 職人からワンポイント:引き手で見分けるワザ
実は、スタイロ襖やダンボール襖は、引き手を外すと中身(下地)が完全に分かります。
しかし、これらはボンド等で引き手を取り付けているため、お客様ご自身で無理に外すのは絶対にお控えください(襖を傷めてしまいます)。

そこで、外さなくても分かる簡単な見分け方があります!

「引き手を固定するための小さな釘(ビス)が、表面に見当たらなければ和襖ではない」

ということです。釘がなければ、それはスタイロ襖かダンボール襖の可能性が非常に高いです。ぜひ、ご自宅の襖をそっと観察してみてくださいね!

襖紙の種類

続いて、表面に貼る「襖紙」の種類です。

大きく分けて「和紙」と「織物(糸入り)」があり、それぞれグレード(ランク)があります。

◆ 和紙編

和紙独特の風合いやしっとりとした落ち着きが魅力です。

客間や仏間など、和室らしさを大切にしたい静かなお部屋に特におすすめです。

[本鳥の子](耐久年数:10~数十年)

特徴: 手漉き(てすき)など伝統的な製法で作られる最高級の和紙です。

選び方の目安 破れにくく非常に頑丈です。何十年と年月が経つほどに、独特の美しい風合い(経年変化)が出てくるため、大切な客間や格式高い和室に最適です。

[鳥の子](耐久年数:5~10年)

特徴: 本鳥の子の風合いを活かしつつ、色やデザインのバリエーションを豊富にした和紙です。

選び方の目安 手漉きに近い上質な風合いから、均質でモダンなものまで選べます。こだわりのある個人の和室によく選ばれています。

[上新鳥の子](耐久年数:5~10年)

特徴: 機械で漉いた和紙の普及品で、「上新(じょうしん)」とも呼ばれます。

選び方の目安 手頃な価格でありながら、和紙らしい模様や種類がとても豊富です。費用を抑えつつ、和室をきれいに模様替えしたいときに一番おすすめの定番品です。

[新鳥の子](耐久年数:4~5年)

特徴: 再生紙を使い、機械で大量生産された最もリーズナブルな和紙です。

選び方の目安 とにかく費用を安く抑えたいお部屋に向いています。下地が透けやすいため、裏面(茶裏)の処理を行ってから施工します。

※上記の耐久年数はあくまでも一般的な目安です。お部屋の使用頻度や普段の扱い方次第では、これよりもずっと長持ちします。

◆ 織物(糸入り)編

織物の襖紙は、和紙に比べて破れにくく丈夫という大きなメリットがあります。そのため、小さなお子様やペットがいるご家庭、よく人が出入りするリビング横の和室などには、織物を選ばれるお客様が多いです。

[上級織物](耐久年数:10~15年)

特徴: 絹(シルク)や上質なレーヨン糸を使い、細かく丁寧に編み込まれた最高峰の布紙です。

選び方の目安 触った瞬間にわかる重厚な質感と、手の込んだ美しい絵柄が特徴です。リビングに隣接した「一番よく目に入る和室」や、品格を出したいお部屋にぴったりです。

[中級織物](耐久年数:5~10年)

特徴: 主にレーヨン糸を使用しており、手頃な価格と変化に富んだおしゃれな風合いを両立しています。

選び方の目安 丈夫さと見た目の美しさのバランスが良く、一般のご家庭のリビング横や寝室などで最もよく選ばれている人気グレードです。

[普及織物](耐久年数:5~10年)

特徴: 主にレーヨン糸を使い、大量生産でお求めやすくした布紙です。

選び方の目安 リーズナブルでありながら布ならではの「破れにくさ」はしっかりあるため、子供部屋や、普段あまり使わないけれど丈夫にしておきたいお部屋に最適です。

※上記の耐久年数はあくまでも一般的な目安です。お部屋の使用頻度や普段の扱い方次第では、これよりもずっと長持ちします。

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さいごに

襖の本体や襖紙の種類によって、お部屋の雰囲気だけでなく、耐久性やお手入れのしやすさも大きく変わります。

新鳥の子や普及織物は価格を抑えられますが、耐久年数が短めです。

そのため長く綺麗に保ちたいお部屋には、

少しグレードを上げた「上新鳥の子」や「中級織物」以上をお選びいただくのが、長い目で見るとコストパフォーマンスが良くおすすめです。

当工房では、お客様のお部屋の用途やライフスタイルに合わせて、最適な組み合わせをご提案しております。

見本帳をお持ちして、実際の質感を見ていただきながらじっくりお選びいただけますので、どうぞご安心ください。

「そろそろ張替えたいけれど、どれを選べばいいか分からない」という方は、ぜひお気軽に淺田襖工房までご相談ください。

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